前項の「第一章」では、当該戦略の「重要な要素」として
・「スワップ」
・「ロールオーバー」
・「アービトラージ」
・「スワップフリー口座」
についてお話してきました。
ここでは、それらの「重要な要素」を使って「トレードスキーム」を構築していきます。
まずは「スワップ受取口座」を用意します。
「スワップ受取口座」の要件としましては、
推奨通貨ペアである「USD/JPY」の買いポジションの「プラススワップ」がある程度大きいこと、
そして「スプレッド」が狭いことが理想的です。
現時点での採用口座は国内口座の「楽天FX・FX口座」を利用していきます。
※国内業者は海外業者に比べて「プラススワップ」が大きく「スプレッド」が狭いのが特徴です。
● スワップ受取口座
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次に「スワップフリー口座」を用意します。
こちらは、すでにお話した「HF Markets(HFM)・プロ口座」を利用していきます。
● スワップフリー口座
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次にポジション建て・決済のタイミングについて解説していきます。
「ロールオーバー」前に「スワップ受取口座」で「USD/JPY」の買いポジションを建て、
同時に「スワップフリー口座」で同数量の「USD/JPY」の売りポジションを建て、
両建て状態で「ロールオーバー」を通過すれば、
レート変動による損益をロックしたまま手堅く「スワップ」を受け取ることができます。
あとは「ロールオーバー」を通過後に、
両建て状態のポジションをそれぞれ同時に決済するのみです。
これが今回の戦略のベースとなる「トレードスキーム」です。
ただ、絶対に避けていただきたいことが2つあります。
まず1つ目は「ロールオーバー」直前にポジション建てを行い、
「ロールオーバー」直後にポジション決済をしてしまうことです。
具体的なポジション建て・ポジション決済のタイミングは後ほど解説致しますが、
あまりにも保有時間が短いと、
「スワップフリー口座」を提供している「HFM社」にあからさまなスワップ狙いと判定され、
業者からチェックが入るリスク、いわゆる「業者チェックリスク」が高まります。
業者からのチェックを避けるために、
ある程度のポジション保有時間が必要になります。
次に2つ目はポジションが片建てとなってしまうことです。
どういう状況でこのようなことが起こるかと申しますと、
今回の戦略のベースとなる「トレードスキーム」では両建て後、
「USD/JPY」のレートが上下200pipsどちらに動いても強制ロスカットに掛からない、
かつ最大のロット数でトレードを行います。
両ポジションに建値から200pips離れた位置に
「TP(テイクプロフィット)」「SL(ストップロス)」を設定しますので、
通常のレート変動により200pips以上動いてしまった場合は、
どちらかのポジションが利益確定、どちらかのポジションが損切りとなり、
ほぼ同時に両建てポジションが解消され、
両ポジション合計の損益はほぼ「±0」となり問題はありません。
しかしながら「ロールオーバー」前後2~3時間は「スプレッド」が拡大します。
特に「ロールオーバー」後の1時間は10pips前後拡大することもあります。
そのため両建て状態のポジションのうち、
どちらかのポジションが損切り間近で「ロールオーバー」を迎えると、
「スプレッド」の拡大で片方のポジションが損切りとなり、
絶対に避けるべき片建て状態になる可能性が出てきます。
なお、建てたポジションが「ロールオーバー」直前で、
ロスカットまで20pips~30pipsほど余裕があれば大丈夫だと思います。
よってポジション両建ては、
「ロールオーバー」の3時間以上前で余裕を持って、
かつスプレッドが拡大しておらず、
比較的穏やかなマーケット状況のタイミングで行うのがベストです。
次にポジション決済(両建てポジション解消)のタイミングですが、
リスク別に3パターンご紹介します。
● パターンA
「ロールオーバー」の2~3時間後に
私はこれまで「業者チェック」が入ったことはありませんが、
直近の傾向として「HFM社」に「ロールオーバー」前に
スプレッド拡大のタイミングを早めるなどの動向が見られたため、
少し業者側の監視が強まってきた可能性があり、現時点ではこれはあまり推奨できません。
● バターンB
「ロールオーバー」からそのまま両建て状態を維持し、
ロンドン時間以前で「TP」「SL」により
自動で両建てポジションが解消される場合がありますが、
必然的にポジション保有時間が長くなり、
「パターンA」よりも「業者チェックリスク」が低いと推測されます。
● パターンC(※現在の推奨戦略)
「ロールオーバー」からそのまま両建て状態を維持し、
1回の取引コストで複数回の「ロールオーバー」を通過できた場合は、
最も利益率がよくなります。
ただし、2回目以降の「ロールオーバー」直前に
どちらかのポジションが損切り間近となっていないかのチェックは必要です。
途中で「TP」「SL」により自動で両建てポジションが解消されますと
「パターンB」と同様になる場合もありますが、
ポジション保有時間が最も長くなる可能性があり、
そのような意味で最も「業者チェックリスク」が低いと推察されます。
1回の取引コストで、2回の「ロールオーバー」を通過できれば御の字ですので、
あまり無理はされないようにして下さい。
「業者チェックリスク」については、結局のところ業者側のさじ加減ですが、
1つ申し上げられることは、
ポジション両建てのタイミングが「ロールオーバー」前であれば前であるほど、
そして両建てポジション解消のタイミングが「ロールオーバー」後であれば後であるほど
低くなるという考え方で間違えはないかと思います。
言葉は非常に悪いのですが、誤解を恐れずに申し上げますと、
「いかに業者を出し抜いて」利益を上げていくかが「裏技系」の醍醐味であり、
また難しい部分でもあります。
上記よりしっかりと「戦略」を練られて下さい。
原則として週に1回、「スワップ3倍デー」というものが存在します。
「スワップ3倍デー」とは、文字どおり1回の「ロールオーバー」通過で
3日分の「スワップ」が付与される日のことを指します。
具体的には週に1回、水曜日(米国時間)から木曜日(米国時間)に掛けての
「ロールオーバー」時になります。
これはマーケットが閉じている土曜日と日曜日の「スワップ」が加算されるためです。
しかしながら例外的に、祝日の関係で1週間のうちに
「スワップ2倍デー」と「スワップ3倍デー」が存在したり、
「スワップ4倍デー」以上が存在する場合があります。
今回の戦略の「トレードスキーム」では、トレードコスト等を考慮し、
週に1回の「スワップ3倍デー」および、
例外的に存在する「スワップ2倍デー」以上を狙っていくこととします。
ちなみに「スワップ1倍デー」、
すなわち通常の「スワップ」付与日でも利益は出ます。
しかしながら当然ですが
「スワップ2倍デー」以上と比較した場合、
利益率は悪くなります。
チェックが入るとすれば、
「スワップフリー口座(現在の推奨はHFM プロ口座)」
を提供している業者からとなりますが、
現時点において私のの口座は1年以上チェックを受けていないという事実がございます。
今回の戦略は、基本的に週に1回のポジション建てとなりますので、
トレード効率は非常に良いのですが、
資金効率が良いかと言われればそうでもありませんね。
そこで私は、資金を余分に入れてはいるものの、
別途EA(自動売買ツール)も同口座内で稼働させています。
「HFM プロ口座」は約定力が高く、MT4としてはスプレッドもまずまずですので、
特に「業者チェックリスク」の対策としてEAを稼働させていたわけではありませんが、
もしかしましたらこれが一番の有効な対策となっているのかもしれません。
ちなみにご参考までに現在、同口座内で稼働させているEAは
・Forex Neo Tokyo(フォレックス ネオトーキョー)
・Triangle Swing System(トライアングル スイングシステム)
となります。
突き詰めて考えていきますと、
両EAともにプラススワップのポジションを持って
(スワップフリー口座ですので実際はスワップは付与されません)
ロールオーバーを通過することがございます。
もちろん逆も然りですので、EAの運用結果には影響しないとの判断から
EAを稼働させていたわけですが、
実はこのあたりが「業者チェックリスク」の対策となっている可能性がございましたので、
重要ポイントとしてお話させていただきました。
やはり、「スワップフリー口座」のトレード履歴が
全てドル円ショートとなっているのは、
不自然であり、少々危険ということですね。
ですので、同口座内で資金を分けて考えなければならない等の
多少のめんどくささはございますが、
「スワップフリー口座」を今回の戦略の専用口座とするのではなく、
EA・裁量トレードを問わずどんどん使用されて下さい。
少なくとも「業者チェックリスク」に対してはプラス効果であると思います。
こちらは必須レベルでの推奨とさせていただきます。
「スワップフリー口座」を通常のトレードで使用しつつ
(時にプラススワップのポジションでロールオーバーを通過しつつ)
並行して今回の戦略を実行していくのがベストですね。
ちなみにEAが今回の戦略の資金に干渉することがないよう、
余分に入金している資金の範囲内で「単利運用」として下さい。